相続で「出生から死亡までの戸籍」が必要な理由とは?札幌の行政書士がわかりやすく解説

相続が発生すると、金融機関や法務局などから、

「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を提出してください」

と言われることがあります。

しかし、ご自身の親の「生まれた時の戸籍」を見たことがある方は、ほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。

「なぜ現在の戸籍だけではだめなのか」

「なぜ亡くなった人の出生までさかのぼる必要があるのか」

疑問に思われる方も多いと思います。

そこで今回は、遺言・相続業務を専門とする札幌の行政書士が、出生から死亡までの戸籍が必要な理由について、わかりやすく解説します。

1 相続では、まず相続人を確定する必要があります

人が亡くなったあと、その方が生前に築いた財産はどうなるのでしょうか。

民法第898条には、

「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」

と定められています。

つまり、亡くなった方の財産は、相続人全員の共有となります。

そのため、遺産を分ける前提として、まず

「誰が相続人なのか」

を正確に確認する必要があります。

「そんなのすぐ分かるじゃないか。父が亡くなって、母と私と妹しかいないんだから。」

そう思われる方も多いでしょう。

確かに、ご家族であれば家族関係は把握しています。

しかし、銀行や法務局などの第三者は、ご家族の話だけで相続人を判断することはできません。

例えば、お父様が亡くなり、お母様と子ども2人の普通のご家庭の場合でも、

・以前に結婚歴がないか

・前妻との間に子どもはいないか

・認知した子どもはいないか

などを確認する必要があります。

「うちの親父に限って再婚なんてありえない。」

「隠し子なんているはずがない。」

と思われる方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、そのようなケースが多いわけではありません。

しかし、それはあくまでもご家族の認識です。

金融機関や法務局などに対して、

「相続人はこの人たちで間違いありません」

と証明するためには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を確認し、相続人に漏れがないことを証明する必要があります。

2 なぜ現在の戸籍だけでは足りないのか

では、なぜ現在の戸籍だけでは相続人を確認できないのでしょうか。

その理由は、現在の戸籍には現在の家族関係が記載されているだけだからです。

戸籍には、原則として夫婦と、その夫婦と同じ氏を名乗る子どもが記載されています。

そのため、子どもが結婚すると親の戸籍から抜け、新しい戸籍が作られます。

また、本籍地を変更した場合にも新しい戸籍が作られます。

さらに、法改正などによって戸籍が作り替えられることもあります。

その結果、現在の戸籍だけでは、

・過去の婚姻歴

・前の配偶者との間の子ども

・認知した子ども

・養子縁組の有無

などが分からない場合があります。

だからこそ、亡くなった方について、出生から死亡までつながる一連の戸籍を取得する必要があるのです。

3 戸籍の広域交付制度が始まり、取得しやすくなりました

令和6年3月1日から、戸籍の広域交付制度が始まりました。

これにより、本籍地が遠方にある戸籍でも、最寄りの市区町村役場の窓口で請求できるようになりました。

以前は、本籍地ごとに郵送請求する必要があったため、戸籍収集の負担は大きく軽減されています。

ただし、利用できる方には制限があります。

請求できるのは、本人、配偶者、直系尊属(父母・祖父母)、直系卑属(子・孫)などに限られ、兄弟姉妹は利用できません。

また、市区町村によっては交付までに1週間から10日程度かかる場合もあり、再度役所へ出向かなければならないこともあります。

4 まとめ

相続手続きを進めるためには、まず誰が相続人なのかを正確に確定することが重要です。

そのためには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取得し、婚姻歴や子どもの有無、養子縁組の有無などを確認する必要があります。

戸籍を確認することで相続人に漏れがないことを証明でき、その後の遺産分割や金融機関の手続きなどを円滑に進めることができます。

「平日に役所へ行く時間がない」

「戸籍の集め方が分からない」

「本籍地が遠方で手続きが大変」

このような場合は、行政書士に依頼することもできます。

よしだみつる行政書士事務所では、相続手続きに必要な戸籍の収集から銀行口座の解約等まで、相続のお手続きを最後までサポートしております。

札幌市および近郊で相続手続きをお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。