LGBTカップルが同性婚(パートナーシップ)契約公正証書を作成する意義

現在、世界で同性婚が認められている国・地域は39か国にのぼっています。

アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、スペイン、オーストラリア、台湾等、多くの国や地域で同性のカップルの結婚が可能になっています。

日本の法制度ではまだ同性の婚姻は認められていないのが現状なのですが、同性同士が法律婚できないのは、憲法に違反するという訴訟において、2021年3月に札幌地裁で初めての判決として憲法14条1項に違反しているという判断が出されました。

そして、これを皮切りに全国で同性婚訴訟が行われており、各地の高裁でも違憲判決が出て、今後最高裁での審理が進められるところです。

そんな中、多くの地方自治体では、パートナーシップ条例やパートナーシップ宣誓制度を制定し、同性カップルにいろいろな行政のサービスを受けられる取組み等がされております。

しかし、実際にはまだまだ法律で守られていないが故に、同性カップルが家族であると第三者に表明することは難しく、いろいろな不自由を強いられているのが現状であります。

そこで、少しでも同性カップルの方々が異性婚の配偶者と同等の権利を得ることができるようにするために、同性婚契約を公証役場で公正証書として作成することが、重要な手段のひとつになっています。

1 守られていない現在の同性カップルの現状

同性どうしが結婚できない現在の法律において、同性カップルには、多くの権利が認められていません。

例えば、クレジットカードの家族カードを作ることが出来なかったり、携帯電話の家族割引が使えないなどの、異性婚のカップルが通常認められている配偶者が対象となる民間のサービスが受けられません。

公営住宅や賃貸物件での入居審査が通らなかったり、一方が病気やケガで緊急入院をした時などの同意書への署名や病状説明が受けられなかったり、家族と認められず面会ですら認められないこともあるかもしれません。

もちろん税務面での配偶者控除もないし、相続が発生した時の配偶者の権利もありません。

家族として配偶者として認められないので、経済的、精神的な不利益を被るという現状なのです。

2 同性婚も異性婚と同じ様に契約と考える

結婚というものは一種の契約です。

婚姻について、民法でいろいろな規定がされています。

732条では重婚の禁止、750条での夫婦同氏、752条の同居、協力及び扶助の義務、754条の契約取消権、761条の婚姻費用の分担、890条の配偶者の相続権などなど。

結婚は沢山の条文によって、婚姻中の権利や義務、離婚のための要件等が守られ、定義されております。

同性婚も民法における婚姻と同じ様に契約と考えることができますが、現在の法律ではまだ同性婚を法制化していないため、この関係性を社会全体に理解してもらい、表明するためには、共同生活の取決めや入院時の面会や手術の同意等についての契約を結ぶことで、双方の合意内容を証明することが容易になります。

3 同性婚(パートナーシップ)契約公正証書で証拠力、証明力を高める

公正証書というのは、公証役場という公的機関で元裁判官や検事、弁護士などの法律の専門家によって作成される公文書です。

公正証書は、文書の成立について真正(本物である)であるという強力な証拠力や証明力が備わっており、原本は公証役場で保管されるため、紛失や偽造変造の心配もありません。

公正証書については、こちらで詳しく解説しております。

一部の自治体ではパートナーシップ条例を利用するのに、パートナーシップ合意契約書(公正証書)の提出を求められる自治体もあるそうです。

次に公正証書を作る時の主な条項をみていきましょう

  • 「2人の合意」~生涯のパートナーとしての意思が揺るぎないこと
  • 「同居、協力及び扶助の義務」
  • 「日常家事債務に関する責任」
  • 「療養看護に関する委任」~病院においての病状説明や手術の同意を受けることを依頼する
  • 「財産の帰属」~それぞれが有する財産は、各自の固有財産とする等
  • 「契約終了時又は、浮気をした場合においての慰謝料について」

この他にも、お2人の考えでいろいろと付け足すことは出来ると思います。

しかし、どちらか一方が先に亡くなった時の相続については、別に公正証書遺言を作られた方が確実にもう一方の方に財産を遺すことが出来るかと思います。

4 まとめ

同性婚は、現在の法律ではまだ認められていなく、各地方自治体によって行われているパートナーシップ条例等でもなかなか、2人の権利や義務が守られていないのが現状です。

しかし、その中でも、同性婚を民法における契約と考え、公文書である公正証書で契約書を作成することによって、2人の関係性を社会全体に理解してもらい、配偶者と同等の関係があるということを示すことによって、完璧ではないにしろ、少しでも安心して暮らすことが出来るようになるのではないのでしょうか。

公正証書はどなたでも公証役場に出向き作成することはできますが、必要書類の準備や公証人との打ち合わせなど、多くの時間と労力が必要です。法的な知識がないことや、公証役場に行くことに不安を感じる方もいるでしょう。

もし、ご自身で作られるのにハードルが少し高いなあとお考えの方は、書類作成のプロである行政書士がサポートをさせていただきます。

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同性婚公正証書の作成に関して、疑問点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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