子供がいない夫婦 相続人が兄弟姉妹や甥や姪になるケースを解説します
子供がいて夫婦どちらかが先に亡くなった場合、その亡くなった方(被相続人)の遺産を相続する相続人は、配偶者と子供になります。これはイメージがつきやすいと思います。配偶者は常に相続人になりますし、その子供も親の遺産を相続することになります。
しかし、子供がいない場合はどうでしょう? 子供がいないのですから、相続するのは配偶者だけでしょうか?
いいえ、違います。
例えば、
夫が亡くなります。
夫の両親はすでに亡くなっています。
夫には、妹がひとり弟がひとりいます。
しかし、弟は夫が亡くなる以前に亡くなっています。
この場合、この夫(被相続人)の相続人は誰になり、また法定相続分はどうなるのでしょうか?
夫が亡くなった場合、配偶者である妻は常に相続人になります。
そして子供がいない場合の配偶者の割合は3/4となり、
夫の兄弟姉妹が残りの1/4となります。
今回のケースですと夫には二人の弟妹がいるので、1/4を更にふたつに割って1/8ずつになるのですが、先ほどふれたようにその弟はすでに亡くなっています。
その場合、その弟に子供がいる時はその子供に権利がおりていきます。
これを代襲相続といいます。
割合はさらにふたつに割って姪と甥で1/16ずつとなります。
相続人は配偶者である妻、妹、姪、甥となり、その法定相続分は3/4,1/8,1/16,1/16となります。
遺言書がない場合、夫の遺産はこの相続人間で話し合い遺産を分割しなければなりません。
それぞれと連絡を取り、全員を集め話し合いをしなければなりません。全員を集めるのが不可能な場合、代表者が連絡を取り合い誰に何をどのくらい相続させるのかを決めなければなりません。
そして決定した遺産分割協議書に署名と実印を押してもらい、更に全員の印鑑登録証明書を取得しなければならないのです。
しかし妻にとって夫の姪や甥とはあまり親しくない、遠方に住んでいて殆どあったことがない等、話し合いを行うことが難しく、決定するまで相当な時間がかかることもあるでしょう。
子供がいない夫婦の場合、相続が複雑になる可能性が高いのです。
そこで、法律的に有効な遺言書があれば、亡くなった方の最終意志を相続人に示しながら、円満で迅速な相続を行うことができるでしょう。
遺言書は遺された家族が少ないストレスで亡くなった方の死後の事務を進めることができる重要な文書なのです。