相続した農地の売却を考える方へ!手続きの手順を徹底解説

親が亡くなり、農地を相続した場合、相続された方が、その土地を継いで農業をされるのならいいのですが、なかなか現実には難しい状況の方が殆どだと思います。
その場合、買い手を見つけ農地を買ってもらうのですが、宅地と違って、売買契約を交わしてお金を払って終了!とはうまくいきません。
農地法によっていろいろな制限がかかっている農地の売却について、行政書士が順を追って解説いたします。
1 相続後の所有権移転登記
相続が開始され、その農地を取得したあとは、宅地と同じ様に所有権移転登記をしなくてはなりません。
亡くなった方の名前のままでは、売却が出来ないため名義を変えなくてはならないからです。
2 農業委員会への届出
所有権移転登記をして名義を変えた後は、市区町村役場の農業委員会に届出を出さなくてはなりません。
※1と2については、前回の記事「農地を相続したときに知っておきたい重要ポイント 手続きや注意点を解説します」で詳しく解説しておりますので、そちらもご参照ください。
3 農地の買主を探す
農地の場合、買主を探すのはなかなか難しいかもしれませんが、農地に得意な不動産屋さんにお願いしたり、市区町村の窓口や農業委員会、農協などで相談するのもいいかもしれません。
でも一番いいのは、近隣の土地の状況もわかっている昔から知っているご近所の農家さんに買ってもらうということが出来れば最高です。
4 売買契約書の作成
農地の買主が見つかったら、売買契約書を交わします。
不動産屋さんが仲介している場合は、不動産屋さんが作ってくれるでしょう。個人売買の場合は、売主か買主のどちらかが作成することになります。
ご自身で調べて作成する事もできますが、なかなか難しいなと思う方は、行政書士等の専門家にお願いするのもよろしいかと思います。
作成する時に注意してもらいたい事があります。
次で詳しくご説明しますが、この後に農業委員会からの許可をもらわなければならないので、その旨を記載します。
例えば、「本件土地の売買契約は、農地法第3条の許可を条件とする」等
許可が万が一取れなかった時は、この契約は解除になるということです。
この記載は必ず入れるようにして下さい。
5 農業委員会の許可を取る
5.1 農地法においての許可や届出
前回の「農地を相続したときに知っておきたい重要ポイント 手続きや注意点を解説します」でもご説明しておりますが、農地は農地法という法律によって、農地以外のものにすることを規制し、国民の限られた資源であると厳格に保護されています。
農地は自分の土地だとしても、宅地とは違って勝手に売却したり、農地以外(駐車場や宅地等)に転用することは出来ないのです。
それぞれ、市区町村の農業委員会や都道府県に許可を出さなければならないのです。
以下にその種類を簡単に表にしてみました。
内容 | 許可権者 | |
農地法3条届出 | 相続での農地の取得 | 農業委員会 |
農地法3条許可 | 農地のままでの売却や賃貸 | 農業委員会 |
農地法4条許可 | 農地を農地以外に転用 | 都道府県知事又は指定市町村長 |
農地法5条許可 | 農地を売却や賃貸し農地以外に転用 | 都道府県知事又は指定市町村長 |
5.2 農地法3条許可の申請書作成
農地の所在する市区町村から申請書を取得します。
ホームページで公開されている所もありますが、なければ役所に確認して下さい。
主に記載する内容を、以下に示します。
- 当事者双方の氏名及び住所等
- 申請地の所在、地番、地目、面積等
- 権利を移転しようとする内容
- 現在、買主の所有する農地の面積や状況、作付作物、所有する農機具
- 買主側の農作業に従事する人や家族の状況や農作業経験
- 周辺地域との関係や農薬の使用状況等
他にも記載しなければならない内容はあり、また市区町村によって多少の違いもある様です。
5.3 必要書類を集め農業委員会に提出
必要書類も各市区町村によって、多少の違いがあるので確認してください。
以下に主なものをあげてみました。
- 許可申請書
- 登記簿謄本
- 公図
- 住民票
- 売買契約書又は賃貸借契約書
- 営農計画書 等
6 農地法3条許可取得
それぞれの自治体によって多少違いはあると思いますが、申請書類を提出してから1か月から1か月半で許可が下りると思います。
許可が下りたら、晴れて売買契約が締結となり、金銭の授受と同時に所有権が買主に移ります。
その後に登記の名義を変更するという流れになります。
7 まとめ
以上が、相続した農地を売却する時の流れになります。
農地は、自分の土地であったとしても、他の人に売却したり、農地から転用したりする時には、農業委員会や都道府県知事に許可をもらわなくてはなりません。
それだけ国は農地法によって食料を生産する大切な農地や農業を守っているということになります。
農地法3条の許可申請は、ご自身で調べながら手続きを進めていくことも可能だと思いますが、役所にいろいろ確認したり、買主から農業の状況を細かくヒアリングしたりしなくてはならないので、なかなか時間が無く、難しいと感じた方は、
当事務所にお任せいただければ、書類作成のプロである行政書士が売買契約書の作成から、許可取得までサポートさせていただきます。
その後の登記申請に関しましても、当事務所から司法書士の先生に連絡をし、お客様が何もすることなくワンストップで完了することが出来ますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。